albatrosary's blog

UI/UXとエンタープライズシステム

「IE6はEOLだが、これからのWeb系システムは本当にブラウザでいいのか? - エンタープライズWebプラットフォーム大戦争」〜 ナイトセミナー・レポート 〜

4/9に「さくらインターネットセミナールーム(東京都新宿区西新宿4-33-4 住友不動産西新宿ビル4号館 6F)」にて第9回html5jエンタープライズ部ナイトセミナー「IE6はEOLだが、これからのWeb系システムは本当にブラウザでいいのか? - エンタープライズWebプラットフォーム大戦争」が行われました。そのセミナーレポートです。

 

エンタープライズ系企業のブラウザ利用ですが、個人的な考えではHTML5にできるだけ対応しているブラウザを使うべきと考えます。Chrome/Firefoxなどがそれに該当します。なぜInternet Explorerを使うのでしょう?しかも古いバージョンの。2000年前半はInternet ExplorerとNetscape Navigatorの論争があったと思います。JavaScriptに対応しているNNと実はJScriptのIEの勝負で勝者IEとなった経緯があります。

現在ではどうでしょう?そのころ構築されたアプリケーションが最新のブラウザでは動かなくなる、だから新しいブラウザが使えない、この論議は私に少し疑問を投げかけます。負債を引きずっていいのか?古いブラウザを使い古いシステムをサポートするのはいいですが、新しいシステムを構築するのに古いブラウザをサポートする必要がある、このコストは誰が負担するのか?

とは言えInternet Explorer 6はもうなくなります。そして今後Microsoftは古いブラウザのサポートをどこまで行うのか、最近のMicrosoftの動きを見ているとよく考える必要があるのではと思います。

 

今回のセミナーのアジェンダは

  • Mozilla Firefox - 結城 洋志(株式会社クリアコード)
  • Microsoft Internet Explorer & Active Directory & IEAK - Microsoft MVP 村地 彰(株式会社シーピーエス)
  • Google Chrome for Business - 川田 寛(html5jエンタープライズ部)
  • IBM Worklight - 佐々木 志門(日本アイ・ビー・エム株式会社)
  • SAP Mobile Platform - 川畑 宗仁(SAPジャパン株式会社)

です。前半はブラウザの話です。後半はBYOD(Bring your own device)、MEAP(Mobile Enterprise Application Platform)の話です。

 

Microsoft Internet Explorer & Active Directory & IEAK - Microsoft MVP 村地 彰(株式会社シーピーエス)

IEAKというのは、Internet Explorer管理者キット(Internet Explorer Administration Kit)のことです。Internet Explorer 管理者キット 11 (IEAK 11) は、次の機能を備えています - IEAK 11 - Internet Explorer 管理者キット 11 ユーザー ガイド

  • エンタープライズ向け: 従業員のコンピューター用に Internet Explorer 11 をカスタマイズ、展開、管理するためのプログラムとツール
  • インターネット サービス プロバイダーやインターネット コンテンツ プロバイダー向け: 顧客用に Internet Explorer 11をカスタマイズ、展開、管理するためのプログラムとツール

IEAK 11は、Active Directoryサービスの有無に関係なく、ネットワーク環境で使うことができます。

 Internet Explorer 11には「エンタープライズモード」というものが存在します。このモードを使用すると、旧バージョンのInternet Explorer に対する互換性の強化を実現し、このモードを使用するWebアプリケーションを管理するツールを提供します。

 

 

 

 

 

Mozilla Firefox - 結城 洋志(株式会社クリアコード)

元々Firefoxは個人利用をターゲットに開発が進められてきましたが、法人利用を考慮した機能も現在では兼ね備えています。少し古い記事ですが、このことは Firefox の法人利用について | Mozilla Japan ブログ で述べられています。特に重視しているのが、法人で Firefox を導入する場合の重要な課題です。

  • Firefox が更新されるたびに、自社の Web サイト、アプリケーション、アドオンの動作保証を行わなければならない
  • 社内では既知のセキュリティ問題がすべて修正されたバージョンを使用しなければならない

という大きくはこの2点を上げています。

 

 

Google Chrome for Business - 川田 寛(html5jエンタープライズ部)

Google Chrome for Businessではトータル的にエンタープライズをサポートする機能が備わっています。 - Chrome for Business

  • 100 項目以上のポリシーの管理:Chrome for Businessでは、組織のニーズに応えられるよう100項目以上のポリシーが用意されている
  • 高度な機能とサポート:Chrome のクラウドベースの管理機能では、社員が会社のデスクトップを使用しているか個人のノートパソコンを使用しているかに関係なく、ウェブから社員向けのポリシーや設定をカスタマイズできる
  • セキュリティ:Google Chrome for Businessでは、悪意のあるサイト、ウイルス、不正なソフトウェア、フィッシング攻撃から組織を保護するにあたって、セーフ ブラウジング、サンドボックス、自動更新などのセキュリティ技術を導入している
  • 安定性:マルチプロセスアーキテクチャにより、1 つのタブで問題が発生した場合でもブラウザ全体が終了することがない
  • 互換性:常に最新のウェブ標準に対応
  • スピード:デスクトップからの起動、ウェブサイトの読み込み、複雑なビジネス向けのウェブ アプリの実行など、あらゆる点において高速で動作するように設計されている
  • 仕事効率化:ユーザーはChromeにログインすれば、どこからでもアプリ、ブックマーク、拡張機能、その他のウェブ設定にアクセスできる
  • 開発:Windows、Mac OS X、Linux、Chrome OS、Android、iOSで利用可能

 

Chrome for Business - 企業向けブラウザとしてのChromeの機能、まとめ - ふろしき.js

 

IBM Worklight - 佐々木 志門(日本アイ・ビー・エム株式会社)

IBM Worklight は、企業によるモバイル活用を推進し、モバイル・アプリケーションの開発、実行、管理を可能にするオープンで幅広い機能を持つ高度なモバイル・アプリケーション・プラットフォームです。- IBM Worklight - Japan

 

 

SAP Mobile Platform - 川畑 宗仁(SAPジャパン株式会社)

Mobile Platform 3.0では、SAPが持つ3つのモバイルアプリ開発基盤が単一プラットフォームに統合され、B2E、B2B、B2Cすべてのアプリケーション開発に対応しました。- ASCII.jp:SAP、モバイルアプリ開発基盤「Mobile Platform」を強化

  • エンタープライズ向け開発基盤「Sybase Unwired Platform」
  • エンタープライズ向けのノンコーディング型開発基盤「Syclo Agentry」
  • コンシューマー向け開発基盤「Sybase Money Mobiliser Platform」

の3つが統合されている。具体的には

  • 単一のモバイルプラットフォームへの統合:単一プラットフォームでB2E、B2B、B2Cの多様なニーズに対応。ネイティブ、ハイブリット、メタデータ、モバイルWebアプリを主要なOSとデバイスで動作
  • オープン性の向上:HTML5、OData、HTTP REST、OSGi Spring、Cordovaといった業界標準のオープンな技術をサポートしたアーキテクチャ
  • 管理者向けの機能の強化:簡易化された管理画面とトレース/ランタイム/アプリケーション分析機能

 

最後に

今回は単純にリンク集です(すみません)。HTML5がエンタープライズで有効に利用されるためにもBYODとかMEAPを考えセキュリティ対策するのがベストと考えます。かつエンタープライズで利用するブラウザもIE限定でなくてもいいのではと思います。よりWeb標準が実装されたブラウザを利用するというだけで「価値」が得られるのではと考えます。